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原始仏教ガール’s日記

気づけばすっかり仏教徒。 twitter @music_buddha

綿花から糸を紡いでみたら、辻信一さんの文章にぐっときた『Samga Japan Vol.19 ティク・ナット・ハンとマインドフルネス』

3年ぐらい前から60年代〜70年代の古着を着るのを楽しんでいます。「最近の流行(80年代リバイバルとか)は着たいと思えないし、形も自分の体型に合わないし、着るものがない…」と思っていたときに、下北や原宿で素敵な古着に出会い「かわいいし、昭和体型の自分にも合うし、お値段もお手ごろで素晴らしい!」と感動したのがきっかけでした。古着なのでダメージがあるものも多いのですが、それを繕い、アイロンをかけて、買ったときよりも良い状態によみがえらせるのはとても楽しい作業です(古着に抵抗がある人にとっては信じられない話かもしれませんが…)。

 

また、昨年ドイツで暮らしていたときには「そもそも「かわいい文化」がない、古着屋さんもない、H&MやZaraはサイズが合わないし着たい服もない」という三重苦に遭い、古着を直す延長のような感覚で、手縫いでの洋服作りを始めました。好きな洋服を自分で縫えるようになって、以前より自由になった気がしました。これはもしかしたら、自分が食べる分の野菜やお米を育てている人の感覚に近いかもしれません。

 

さて、そんな経緯もあり、先日「綿花から糸をつむぐワークショップ」というものに参加してきました。「糸から洋服を作れるようになったらもっと自由になれるかも」という軽い気持ちで足を運んだのですが、行ってみるとそのワークショップは「ジュレー・ラダック」という、日本とラダックとの国際協力や交流活動を目的として設立されたNGOが主催するイベントでした(行ってから知りました…)。

 

ラダックというのは、インドの北の方に位置する地域。チベット文化圏に属しており、チベット仏教の中心地の一つだそうです。厳しい環境でありつつも、豊かな伝統文化を持ち、循環型の社会を営んでいることで、いま注目を集めています。世界中からその仕組みを学びたいという人たちが訪れているのだそうです。

 

ワークショップではまず最初に、文化人類学者の辻信一先生が作られた「ヴァンダナ・シヴァのいのちの種を抱きしめて」という映画が上映されました。熱っぽく「価値の大転換」について語るヴァンダナ・シヴァさん(インドの環境活動家)。彼女のパワーに圧倒されるとともに、そのような映画を作り、広く世の中に問題提起をしている辻真一先生の活動に、ちょっと心を揺さぶられました。

 

年末に発売された『サンガジャパン Vol.19 ティク・ナット・ハンとマインドフルネス』に、その辻真一先生とソーヤー海さんとの対談記事が掲載されています。

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最初この対談を読んだときには「活動家? 活動家ってどんなことをしている人たちなのかしら??」と、あまりピンと来ていなかったのですが、この映画を見た後に、再度お二人の対談を読み返すと、言っていることが非常に腑に落ち、ぐっときました。辻さんの目線で語られる「瞑想がなぜ大切か」ということにも、非常に納得できました。この対談の中でも「糸をつむぐ」ということ、そして「瞑想」との関係について触れられており、興味深かったです。

 

映画の後は実際に綿花から綿を取り、糸をつむぐ体験をしたのですが、それはもう想像を絶する難しさでした(一見、簡単そうに思えるのですが…)

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がんばってもなかなか糸にならず(糸っぽく感じになってもすぐに切れる)、「糸をつむいで一枚の服を作るのに10年ぐらいかかっちゃいそう…」とつい思ってしまいましたが、わたしのそんな気持ちを見透かしたように、サンガジャパンのP.248で、辻先生はこのように述べています。

チャルカなんか回したって世界は変わらないだろうと思う人もいるでしょうね。庭で野菜育てたって、自分の食べる分のほんの一部にしかならない、というふうに現代人はすぐ量的な発想をして、ムダだと結論づける。でもそれは違うと思う。たとえ量的ににほんの少しでも、自分でチャルカを回し、種を蒔くとき、何か重大な変化が自分のうちに起こっているわけです。僕にはそういうことが信じられるようになった。

 

なるほど! そうですよね。

 

自分も瞑想を初めてそろそろ2年になり、日々の少しずつの実践が、少しずつうねりとなって変化をもたらしていることを実感しつつあります。ですので、今後も、瞑想をはじめ、小さくとも継続的に、いろいろな実践を積み重ねていきたいとあらためて思いました。今年のGW明けには綿花の種もプランターに播いてみようと思っています。(ちゃんと育つでしょうか?)

 

サンガジャパンのお二人の対談では、昨年の原宿でのフラッシュモブ(みんなで一斉に路上で瞑想するパフォーマンス)の話なども出てきており、「あのイベントははこの人たちが中心となって企画されたものだったのか…」と、バラバラだった情報がつながったりもして、いろいろと興味深かったです。

 

今回のサンガジャパンは、20年前にティク・ナット・ハン師の招致活動に関わった方々を中心に、素敵な濃い寄稿が満載です。わたしもほんの少しだけですが編集のお手伝いをさせていただきました。ティク・ナット・ハン師に興味がある方も、辻信一先生のファンの方にもおすすめです。