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原始仏教ガール’s日記

気づけばすっかり仏教徒。 twitter @music_buddha

【ブックレビュー】サンガジャパン Vol.18「インドシナの仏教」/理想の僧侶ってどんな人?

仏教

最新号のサンガジャパン(Vol.18)の特集は「インドシナの仏教」です。2014年2月に行われた、サンガ主催の「東南アジア仏教ツアー」が特集のベースとなっていて、旅の美しい写真に触れたり、旅の道中に訪問したお寺の法話や参加者の声を読んだりすることができます。ツアーではカンボジア、ラオス、タイの3か国を巡ったそうです。いいですね!

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理想の僧侶ってどんな人?

タイの僧侶であるプラ・パイサン・ウィサローさん*1の記事を読んで「理想の僧侶って?」とちょっと考えこんでしまいました。記事によると、現在のタイ仏教は衰退の危機なのだそうです。「ブッダが説かれたサンガとは、僧侶も在家信者も一緒に悟りを目指すもののはずであるが今のタイの仏教はそうではない」と。

 

最近はタイでも仏教が現世利益のための宗教となり、瞑想修行や布施も自分の願いを叶えることが目的になっているそうです。その原因をプラ・パイサン・ウィサローさんは「僧侶が自己の瞑想修行に集中しすぎてしまったこと」だと言います。「都会の僧侶は贅沢な生活をするようになってきているから、バンコクなどの大都市に住む人は、都市部の僧侶を頼らず森林僧院にやってくる。しかし森林僧院の僧侶は現実社会に関心を持たず、今日の人々が何に問題を持っているかを理解できない。だから、適切な表現でブッダの法を説くことができない」ともおっしゃいます。 

 

都会の僧侶は贅沢でダメ、森林僧院の僧侶は浮世離れしていてダメ、瞑想修行に集中しすぎるのもダメ・・・となると、どんな人が理想的? 記事をもとに理想像をちょっと考えてみると、「人里離れた森林僧院を拠点とし、きちんと戒を守り、簡素に暮らし、瞑想修行はするけれども集中しすぎることはなく、仏教の目的を正しく在家信者に伝え、森林僧院にいながらも浮世離れしすぎないように世の中のことに関心を持ち続け、社会問題や平和問題にも目を向ける、そんな僧侶」、そういう感じになるのかな・・・。

 

そうなるとお坊さんの活動範囲はかなり幅広くなりますが、確かにそんな人がいたら何でもできるスーパーマンみたいで、格好いいかもと思いました。悟りを開いたあとのお釈迦様はまさにそういう感じだったのかも?

 

でも、まだ悟っていない僧侶が同じように幅広い活動をしたとしたら、「悟りを目指して出家したのにいつの間にか仏教伝道活動や社会問題を解決するほうの仕事が増えて、修行の時間がなくなっちゃった! ああ、出家したのに悟れなかった!」みたいなことになって、結果的に悟りを開く人が少なくなり、解脱への道を指導できる人も減少して、逆に仏教は衰退してしまいそうです。

 

悟っている人というのは世の中に何人ぐらいいるのでしょうか? 数万人? 数百人? 数人? 0人になっても仏教は続いていくものなのでしょうか? ・・・未だに誰が悟っているお坊さんなのかもよくわからないわたしには、なかなか想像がつかない世界です。

 

理想の僧侶を考えているうちに頭が混乱。理想は妄想だからですね!

 

かなり脱線しましたが、最新号の見どころは多いです。カンボジアでの法話なども含めて、かなり真面目な内容、まだの方にもお勧めです。

 

*1:プラ・パイサン・ウィサローさんはタイ仏教界を代表するエンゲージド・ブッディズムの論客。森林僧院であるスカトー寺の住職で、森林に住み瞑想を深めるとともに社会問題に関して精力的に発信をしている僧侶だそうです。